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川の流れは緩やかで、寝不足な僕を益々疲れさせる。
今日こそ、お瀧に逢いに行こう。
眠れない日々は本当に辛く、眠れない時間は、僕に苦しい思い出ばかりを見させる。
お瀧に出逢うまでの、壊れかけていた自分を思い出すと、今でも手が震える。
人を斬っても何の感情も湧かず、ただ怨むことでしか自分を保てず。
僕はあのとき、お瀧の瞳に同じものを見付けてしまった。
お瀧に何があったのかなんて分からなくても、僕に何があったかなんて彼女が知らなくても、彼女を抱き締め眠ったあの夜、確かに僕は救われた。
お瀧もそうだと良い。
そしてこれからも・・・
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