第一夜
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「じゃあ、またね。」 するりと蒲団から抜け出し、名残惜しさの欠片も見せず、着替え始める。 わたしの好きなひと。 決して振り返ることのないその背中を見つめながら、襖の閉まる哀しい音を今日も聞く。 さっきまで彼が眠っていた蒲団に潜り込み、次に会える日を数える。 それは、わたしの寂しい習慣だった。
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