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普通には見えないところばかりを、集中的に殴られた。
私だからこそだろう。
特定の客は殆ど居らず、一番の上客さえも帰らす。
そんな遊女に手加減など必要無い。
それが、女将の判断だと分かった。
柱の影から幼い禿の姿が見えた。
青ざめた表情は、告げ口したのは自分だと言っていた。
気にしなくて良いと、微笑みを浮かべたが、禿の姿はすぐに見えなくなってしまう。
欠けた月の下。
夜明けは、もうすぐ。
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