第一夜

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彼は遊女である私の客。 だけど、一度も抱いてはくれない客。 初めは変な男だと思った。 ただ抱き締めて眠るだけ。 そんな彼に、いつの間にか心を囚われていた。 鋭い瞳と不安定な微笑みが、私の心を離してくれない。 こんな私が、心を寄せたいと願うひとが出来たことは、ほんとうに不思議だった。 窓の外から、礼を述べる男の声が聞こえた。 私は慌てて窓に寄った。
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