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答えないお瀧に、久しぶりに逢えることに、逢えない時間に想いを募らせていたのは僕だけなのかと思うと、苛立つ。
「ねぇ、僕には言えないこと?」
肩を掴み引き寄せようとしたとき、お瀧は小さく悲鳴をあげた。
「い、言われへんやなんて…
大したことじゃ……」
嫌な予感がした僕は、こんな時に初めてお瀧の帯を解いた。
紐を一本一本取る間中、指が微かに震えた。
「急に、どないしはったん?
自分で脱ぎますから、行灯を」
「ちょっと黙ってて。」
襦袢越しにも解るほどの痣が、躰中にあった。
僕が夢見た、柔らかいお瀧の肌に。
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