第六夜
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生きてきて、こんなに嬉しい言葉は初めてだった。 吉田様は、いつも私に幸せな初めてをくれる。 こんなに穢れた私が、綺麗なものになれた錯覚を起こす。 吉田様は知らない。 私がどんなに穢れた生き物なのかを。 知られてはいけない。 あの瞳が曇る瞬間を見てしまえば、私は生きてゆけない。 私は、実父に犯されていた。 七つの冬、遊郭へあがる頃まで。
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