第六夜

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「知らん奴にやられる前に、父親である俺がやって、何が悪い?」 母に知られてしまった夜、痣だらけになり裸で転がる私の腹を蹴りながら、父は言った。 後、三日。 後、三日で抜け出せる。 踞りながら、呪文のように唱えた。 母は、泣きながら私を殴った。 よく死ななかったなと、今でも思う。 あのとき死ねていたなら、とも。 三日後、京から女衒が来た。
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