第六夜

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血にまみれた私を見ても、女衒は何も言わなかった。 ひたすら歩き、四国を出るころになってようやく、 「後で着物を買ってやる」 と、少しだけ笑った。 その後のことは、知らない。 追われることもなく、もう十年以上の時が流れた。 父も母も、あの女衒も、二度と会うことは無かった。
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