第六夜

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父に穢され、自ら穢れつづけた私。 こんな私が、今さら吉田様の手を取れるはずがない。 平鍬を振りおろした感触は、今も消えないのに。 もっと、罪悪感に見舞われると思っていたのに。 私はこの十年以上、悪夢さえ見ない。 私の中に、綺麗なところなど欠片もない。 小さく首を横に振り、吉田様を部屋から追い出した。 あぁ。 今日も折檻が待っている。
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