第六夜
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ビクビクする禿に、胸を撫で下ろした。 こんな、十にもならない子供に、僕は何を警戒しているんだろう。 追われる事に慣れすぎて、神経質になりすぎているなと、少し反省する。 「……荻だよ。 知ってる?」 笑って答えてやると、禿は俯いたまま首を横に振った。 「そう。 ま、そんなもんだろうね。 じゃあ、女将によろしくね」 ひらひらと手を振りながら、そのまま遊郭を後にした。
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