第七夜

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「し、下に、お客様が…」 目を反らし、言いにくそうに言う。 「お客様って、うちの? 下に来てはるん?」 こくりと頷く禿。 通常、廓の上がり口には不寝番と呼ばれる男衆がいる。 「不寝番は?」 今度は首を横に振る。 声くらい出せば良いのに。 と、少し意地悪な気持ちになったが、黙って下に降りた。 こんな子供に八つ当たりすべきではない、と。
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