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下に降りてみると、確かに不寝番はいなかった。
こんな早朝に居ないことが不思議だったが、とりあえず外に出てみる。
キョロキョロと辺りを伺うと、建物と建物の間から、だんだら模様がちらりと見えた。
客とは、新八様のことだったのか。
会いたくなかったが、そろりと近づいた。
「新八様?
どないしはったん?」
だんだら模様の羽織の袖を引くと、腕を取られ、その隙間に引っ張られた。
思いの外強いその力に、身構える。
「な、なんです?
こんな所まで来て!」
震える声でその主を見上げれば、そこには見たことの無い男が居た。
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