第七夜

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「新八っつぁんに、文を出せ。」 「は?」 「謝れ。 また来て欲しいと、文を出せ。」 この男は、自分が何を言っているのか分かっているのだろうか。 「何で、あなたにそんなこと…」 「出せ。 新八っつぁん、アンタに袖にされてから、元気が無いんだ。 ……出せよ?」 出さなければ分かっているな、と言う風に、また腕を捻られる。 脅しているつもりなのかと思うと、笑えてきた。 こんな力だけの男に、私は絶対屈しない。 思い切り、男の向こう脛を蹴った。 瞬間、男の力が弱まった隙に、腕を振り払い、通りに飛び出した。
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