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袖にされたわけではないと思いながらも、僕の眉はぴくりと反応する。
桂がいなくて本当に良かった。
もし居たら、しつこくからかわれたに違いない。
「煩いよ。
で、アンタたちは揃いも揃って、また火遊びの相談?」
髪の毛を直しながら座ると、有吉が肩を震わせた。
何かあったのだと、分かる。
宮部や古高はともかく、有吉は分かりやす過ぎるのだ。
「ふぅん。
困ったことになってる?」
「……ああ。」
ニヤリと笑って聞くと、言い辛そうに宮部が答えた。
「そう。
で、何があったの?」
有吉が呑んでいたであろう徳利を奪い、酒を流し込んだ。
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