第一夜

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僕が角を曲がるまで、彼女はいつも見送ってくれる。 だけど、僕は振り返ったりしない。 振り返ってしまえば、もう二度と前を向いて歩けない気がするから。 僕の心をとらえて離さない彼女は、少し怖い。 こんな気持ちは、いらない。 そう思ったりもしたけど、どんなに抵抗しても、彼女に会いに行ってしまうんだから、この頃では諦めた。 だからこれは、最後の抵抗。 会いに行く。 だけど、抱かない。 だけど、振り返らない。 もう少しだけ、待って。 僕が素直に君を迎えに行けるまで。
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