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「新撰組に、俺たちの計画の一部が洩れたかもしれない。」
興奮しているのか、酔っているのか、古高は少し声を震わせながら言った。
「かもしれない?
曖昧だね。」
「まだ、ハッキリしたことは分からないんだ。
可能性があるというだけで…」
僕から徳利を奪い返しながら、有吉は言う。
甘過ぎると思った。
「可能性があるっていう時点で、ダメだよ。
新撰組を甘くみちゃいけない。
近藤とかいう局長は阿呆でも、右腕はあの土方歳三なんだから。」
「……稔麿の言う通りだな。
土方は、俺たちが考えている以上に、切れ者だろう。」
宮部が同意してくれたので、良かった。
僕たちは、如何なる失敗も許されない。
「詳しく話してよ」
三人の顔を見渡した。
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