第八夜

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なんだか情緒が不安定になってくる。 自分のことでも無いのに、胸の奥がさわさわと落ち着かない。 仲が良かったわけでも、特別可愛がっていたわけでもない。 だけどあの娘はこの狭い遊廓のなかで、確かに一番近い存在だった。 全身で私を睨んでいた小さなあの娘。 落ちてきた陽を眺めながら、無事に帰っておいでと願った。
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