幸せなんてどこにもないや

2/3
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
幸せなんて本当はどこにもなかったんだ。 今まで自由を求め生きてきた俺だけど・・・未だに一人になれずにいるみたいだ。 幸せ、自由、権力、知恵、金、栄光、地位、名誉。 ここまで来たが・・・自分は一体何を手にし、何を失っただろうか? そして本当の幸せとは一体何なのか? 自由だからこそ幸せなのか? 自由とは一体何なのか自分でも分からない。 自由とは何をしても許され何をしても人に悟られないことなのか? いや違う。 きっと俺は勘違いをしていたんだ。 自由とは何をしても許されるが、同時に・・・・孤独と言う名の闇でもある。 人は何かを手にし何かを失う。 俺は自由を求めて東京に上京した。 都会へ行けば少しは自由になれるだろう。 そう考えた俺が馬鹿だった。 俺が上京したのを知った彼女は俺を追いに、わざわざ福岡から東京へと渡った。 がしかし、不運にも彼女はタクシーの居眠り運転のせいで山の斜面から落下。 俺は母親からの電話で・・・・・彼女が頭蓋骨損傷で即死だと・・・知った。 俺は泣き崩れた。 悔やんでも悔やんでも彼女が戻らないことくらい分かってた。 でも涙が止まらなかった。 それから10日後、彼女の葬式があるとのことで俺は福岡に戻った。 葬式で俺は彼女の顔を見た。 無惨な姿だった。 彼女の面影は・・・・どこにも無かった。 享年23歳だった。 若すぎる死だった。 俺は自分を恨んだ。 俺のせいで彼女の夢も希望も未来も奪った。 俺は自由を求めすぎて・・・・・彼女を失った。 何かを手にし何かを失う。 『俺は一体何を手に入れたんだ❗ 自由何てただの孤独でしかないじゃないか❗』 俺は若すぎた。 本当の幸せとは彼女と幸せな家庭を築き、幸せに生涯を終わらせることだったんだ。 こうして俺は・・・本当の自由を知った。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!