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女の子は手を組み、少し考えた後、言いました。
「うーん、あ、うん、そっか。だよね…。」
「?」
「えっとね、お兄ちゃんは知らないかもだけど、私はお兄ちゃんの妹なの♪☆」
てへっ☆と、女の子は舌を出し、どこかバツが悪そうに言います。
「おにい…?」
突然妹って…どこの漫画だよ。
青年は、嬉しい反面、動揺します。
「というか…俺って、お母さんの子じゃないの……?」
当然といえば当然の疑問を口に出します。
シーン
「…え?」
青年が振り返って、おばさんがいたはずの場所を見ました。
「………あンのくそババア!!」
青年の本性が牙を向きます。
「……お兄ちゃん?どうしたの?☆♪」
「…何でもない。それより、えっと…名前…なんだっけ」
「桃子参太真利亜・アンジェリーヌ」
えっと…笑うとこなのか?
本気で迷います。
「じゃあ、略して桃子」
桃子の明るい顔が、わずかに歪みます。
「悪いけど……どういうことか説明してくれない?」
「えっとね、私達は、代々鬼を倒す家系なの★♪勇者みたいな、特別な血が通ってるの☆で、鬼はその血の匂いをかぎつけられるの」
「へー…」
信じてないが、適当にあいずちをうつ。
「で、鬼ヶ島に近いこの家に居候して、匂いを馴染ませるの★♪」
「え…で、なんで俺がその家系なの?」
「えっと、十五年前に、お兄ちゃんの本当の両親が、お兄ちゃんを桃に入れて流したの」
「それで、僕が拾ったというわけだ」
「え?」「え?」
2人の声が重なる。
いつのまにか、すぐ側におじいさんが立っていた。
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