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「えっと、その、僕たちは~その、友好を深めてたんですよ!!」
我ながらナイス切り返し。
「友好を?服部さん、泣いてたわよ?」
目が冷たい。
というか、どっから見てたんだこの人……
「いや、まぁ仲直りというか……」
いい言い訳がない。
「仲直り……ね。別に隠さなくてもいいわよ?あなたたち、付き合ってるんでしょ?」
「いえ、付き合ってはないです。」
頭が考えるより先に、口が動いた。
頭の片隅、いや、ど真ん中にあったからだ。
「付き合ってないけど、そういうこと、するんだね。まぁでも、2人とも、愛し合ってるって感じしてたわよ?」
そう言って、くすりと笑う先生に、さっきまでの怖さはなくなっていた。
愛し合ってる、か……
別に急いでるわけじゃない。
これからわかりあって、いつか付き合えればいい。
そう考えていた。
でも、現実はものすごく急いでる。
見ているだけでいいわけがない。
近くにいれればそれでいいわけがない。
……手に、入れたい。
現実の俺は、呆れるほどに、ださい。
そう思った。
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