わからない君

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しばらくすると、先生がきた。 白衣を自分のものにしている所を見ると、相当の強者に違いないだろう。 「おはよう。どこか痛い所はある?」 にこやかに話す先生。 その後ろにはさっきの女の子。 「頭ぐらいです。」 さっき痛みを感じたところは、頭だけだった。 「そうかい、君が頑丈でよかったよ。変わったところはあるかい?」 そういうと、紙になにかを書いている。 「いえ、特には。」 いたって普通だ。 「そうか、わかった。検査入院だから、明日には帰れるよ。なにかあったら、ナースコールを押すんだよ。若いかわいい子はいないからね、無駄に押しても無駄だからね。はっはっは」 そう言うと、病室を出ていった。 女の子も一緒に出ていった。 「あ……」 なんで階段から落ちたか、聞くの忘れた…… まぁ、いいか。明日にはわかるんだ。 今日は寝よう…… どうでもいいことを考える前に、眠りに落ちた。
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