わからない君

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「あづじぃぃいいい!!」 そう言って抱きついてきたのは…… 「礼さん、苦しいよ。」 礼さんだ。 まぁそんなことだろうと思ったよ。 「あづじぃぃいいい!」 トントンと礼さんの肩を叩く先生。 「病院内はお静かに」 ニコニコしながら目が笑っていない。 なんかこんなこと……あったような、なかったようなぁ…… 「はっ、すみません!大変お世話になりました!」 きれいにお辞儀する礼さん。 なんか、悪いことしちゃったな…… 礼さんが持ってきてくれた普段着に着替え、ついに病院から出る。 「抜糸するから、またちゃんと来てね。」 「はい……」 帰り際、先生が耳元で、 「君の周りには騒がしい人が多いね。」 と言っていた。 周り? 礼さん以外にいるってことか? 誰……だ? 「痛……」 まだ少し、頭が痛い。 先生にお礼をし、帰宅した。
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