愛と薬と逃亡劇 Ⅱ

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ふむふむ 僕が見た人というのは関係ないのか。 「むぅ…4番の個人差が気になるのう」 「秀吉はなんともないの?」 見たところ秀吉が僕に特別好意を抱いている様子は無い。もしかしてこの薬は秀吉を男だと思っているんだろうか。使えない薬だよまったく。 「いやワシのことではなくて………ん? そういえば、のう明久、お主はこの紙を見るまで、自分が見た人を好きになると思っていたんじゃったの?」 「うん。そうだね」 「……………ならなぜワシを真っ先に見つめたのかのう……?」 秀吉が怪訝な表情で僕をじっと見てきた。 「! いやっ……それはそのっ………秀吉なら惚れてもっていうか、薬なんてなくてもっていうかそのっ……」 さっきとは反対の立場で僕が目を逸らしてしまう。 「やはり最近のお主は……まぁ明久以外もそうじゃが…ワシをどうも女扱いしているみたいじゃのう」 秀吉が怒ったように、また少し照れたように僕に顔近づけてきた。
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