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「もしかして、それって嘘かな?」
「…………!!(ブンブン)」
この反応………ならば!
「本当のことを教えてくれたら僕の秘蔵のコレクション(ディレクターズカット版)を君に進呈するよ」
「…………薬の実験台」
「今度君が鼻血を出したら輸血パックをドブに捨てるよ」
「…………ッ! それは困るッ………」
輸血パックを使うときにはムッツリーニはすでに虫の息で、輸血パックを奪って捨てることなんて造作もない。
できることならそんなことはしたくないけど、まさか実験台とは……
友達をわけのわからない薬の実験台にした罪がどれほどのものかこの愚人に教え
「明久っ! 話を逸らすでないっ!」
秀吉が怒って僕に怒鳴った。
「別にお主がワシのことを好きなのが迷惑なわけではないのじゃ。しかしワシはあくまでも男であってそれ相応の態度で接して貰わんとこちらの対応が取りにくいのじゃ。わかってくれんかの?」
秀吉が真剣な顔で僕に語りかける。
「わかったよ。そうだよね、やっぱり秀吉は秀吉だもんね。ちゃんとした性別で接しないと秀吉も困るよね。秀吉なんだから」
「今ひとつすっきりしない納得のしかたじゃのう………」
「ちょっと水でも飲んで落ち着いてくるよ」
僕は立ち上がって教室のドアに向かって歩き出した。
「明久、薬のことがあるんだから気をつけろよ」
雄二が後ろから僕に注意を促す。
「大丈夫だって。この時間なら教室の外に出てる人なんていないしすぐ戻ってくれば誰にも会わ──」
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