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塵芥の舞う沙漠の國
頸の無い神が一柱彳む
雲を貫く大柱に
その周りには緑が繁り
水が盈ちる
そこへ旅行く者あり
駱駝を降りて神に触れる
神に蔓る蔦を捌ける
神は云う
尸灰の國を救いたもう
贄はいらんぞ民の為
動けぬ神は旅行く者に頼す
蠱蟲とゐう娥(バグ)を徹してたもう
それは人に似 人で非ず
蟲に似 蟲で非ず
水を枯らし
土を殺す
それを衍すること有れば
死の瀛海となろう
旅行く者は罪人なり
戦きが勝り
駱駝を置いて逃げかえる
叛する民には容赦せず
罪人は流砂の底へ
この國には慾の皮の突っ張った者
邪な者しかおらんか
神は艱難の國を統べることはない
神柱が消える時
亡國が産まれ
それは覚醒などあらん
神の姿は薄れゆく
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