着手

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「それで、どんな具合だい」と矢内係長が、やんわりとした口調で促した。目だけは鋭さを保ったまま、事件車両に向けられてはいるが。 「はっ! 最初にあの車に気づいたのが、そこに建っている○○冷凍という会社の守衛をやっている三上 宗一郎、年齢五十五歳です。午前三時過ぎに最初に気づいたそうですが、この辺りは釣り人やカップル等がよく路上駐車をするものですから、その時はあまり気にしていなかったそうです。しかし五時近くになって、いまだ駐車したままの車が気になりだし、近づいて行ったという事です」
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