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「・・・何もないよ」
「嘘や、何かあるやろ?」
耳元でいつもより低い声で囁くとグスッとすすり泣きを漏らす井本
「別に・・・大したことあらへんねん
こんなこと言うたら可笑しい思われると思うし・・・」
弱々しく言う井本がとても可愛らしい
「ん?何?
言ってみなわからへんやん」
優しく語りかけてやると
腕の中でクルッと反転して向かい合ったかと思うと
思いっきり抱きしめられる
「・・・藤原さ、さっき菊地らに俺らんこと言うたやろ?
別に言われてもどーってことないねんけど、
これから、その・・・しようとしてたこととかは
俺ら2人の秘密みたいなモンやんか?
それを惜しげもなくアイツらに言うたから、そんなに大事なことや無いんかなって思て・・・
俺からしたら、久々やったしすごく嬉しかったし・・・大事なことなのに
なんか・・・変なこと言うてゴメンな」
あー・・・可愛い
こんなに久しぶりに会うことを楽しみにしとってくれたんやな
それなのに俺、ちょっと考えなしやったな・・・
「ごめんな、俺そういうこと考えてやれんかった」
「んーん」
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