サルの漫才師《閲覧》

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「ここで落ち着いたら、石像になるだろ!」 「……突っ込みの意味がまるで分かりませんけども」 「有無。認めよう」 「認めるくらいなら、初めからやらないで欲しいですね。でもまあ、素直なのはいいことですね」 「彼女も素直になるべきだと?」 「なった方がいいでしょうねぇ。《付箋紙の価値観》に逆らっても、いいことなんてないですから」 「はははは……面白いなお前」 「面白いこと言ってねぇよ」 「仕事しろよっ!」 「ずっと面白いことばっか言えねぇよ。そんな腕あったら、お前なんかと漫才やってねぇよ」 「ははは、そりゃそうだ」 「認めるのかよ」 「私はお前とずっと漫才やりたいから、絶対に面白くなるなよ」 「面白くなかったら、二人とも漫才できなくなるだろうが。お客さん来ねぇよ」 「上等だね。そしたら、二人だけで漫才やればいいじゃないか」 「嫌だよ。お前一人でやれよ」
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