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《湯布院ゆっこ》が天井をにらみ付けている。
彼女の《敵》は、必ずそこから攻め込んでくるはずだからだった。
彼女は天井から監視の目を離すことなく、手探りで何かをたぐりよせた。
それは、カップラーメンと割箸だった。
彼女は手元を見ることもなく、器用にラーメンの蓋を開けて、それをすすった。
すすりながら、大きくて美しい目で、天井をひたすらにらみ続けている。
その動作の慣れた感じから、その動作が繰り返し行われたものだと容易に推測できる。
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