疑惑

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何事も無く訪れる毎日、平和な日々 明るい笑い声 そんな普通の家庭の普通の毎日が、一変する出来事 あれは忘れもしない小学3年の時の話しだ 「何なのコレは」 「ちょっと来なさい」 教室中に響き渡る声、担任のケイコ(仮名)先生だ 先生の手には茶色の封筒が握られている そのまま僕は用務員室へと連れて行かれた 「これは何」 「中身は」 「何に使ったの」 先生は怒鳴りながら僕を睨み付けた 『分かりません』 僕はこう言うしかなかった あまりに急な事で、僕の頭はパニクっていた 「これは給食費でしょ」「中身どこにやったの」 『分かりません』 「何に使ったの」 『分かりません』 こんなやりとりがどれぐらい続いただろうか 僕の中では凄く長く感じられた 自分の中では全く身に覚えの無い事である 考えてみれば小学校三年生と言えば、まだ7歳か8歳だからパニクるのもムリはない 「じゃあ何で机の中からコレが出てくるの、コレはみんなの給食費でしょ」 その当時、給食費は教壇の上にある箱の中に持ってきたら各自入れるというシステムだった そう、僕はハメられたんだ それからは余り覚えていない\恐怖\と\悲しみ\と\憎しみ\と\絶望 色んな物が一変にこみ上げてきた 泣き崩れる母親、ひたすら謝る父親 そんな両親の横で僕はただ一点を見つめる それからは親とはマトモに会話していない(今でこそ普通だが) 周りの友達も何もかもが信用出来なくなっていた :僕は孤独だった: そんなこんなで小学校生活も終わりをつげ、中学へ上がった やっぱりというか、当然というか 僕は見事にグレた
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