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ぎしっ。ぎしっ。
(ん? 何だろう? 階段から音がした気がするけど……)
ガチャ……。
今度はこの部屋のドアが開く音。こんな時間に誰だろう?
お母さん……じゃない。お父さんは会社早いから眠っているだろうし……。
「はぁ、はぁ……」
そんなことを考えていると、私の居る押し入れの前を男が横切った。それは、当然お父さんではなく、知り合いの男性でもなかった。
(知らない人……って、まさか……泥棒!? ど、どどど、どうしよう! けけっ、警察に電話……って、私今動けないんじゃん!)
突然の侵入者の存在は私の頭を再びパニックに陥れた。
唯一幸いだったのは、声を出すことが出来ず、指一本動かせない状態であるが故に、男に気付かれなかったという現状だろう。
けれど、それは同時に逃げられないという事実でもある訳で。
こんな状態の私が見つかってしまったら……きっと筆舌に尽くし難いことをされると容易に想像出来る。
(見つかったら、殺されるかも。ううん、それ以上に酷いことだって……。やだ……嫌だよ……まだやりたい事沢山あるのに……こんな所で死にたくない……!)
「んっ? 女か……へへへ」
男は下品に笑う。そして、ベッドへ近付いて行く。
(え……ちょっと待って。確か今、ベッドにはあの子が寝てるはずじゃ……)
「寝てるのか。ちょうどいい。まずはこいつを噛ませて……」
「んっ……」
男は寝ている子の口をタオルのような物で塞ぎ、頭の後ろで縛る。
そして、どこから持ち出してきたのか、少し古い手錠を取り出した。
「さーて、お次は……」
カチャン、カチャン。
彼女の手を背中に回し、手錠をかける。
「ぐひひっ、たっぷり楽しませてもらうぜ」
泥棒は可笑しそうに笑い、女の子を見下ろしていた。
「ん……んっ? んぁ!?」
異変に気付いたのか、少女が目を覚ます。
「くくっ、目ぇ覚ましたかぁ?」
縛られて動けない女の子を前に、下卑た笑みを浮かべる男。
彼女は不自由にも身体を動かして抵抗を試みる……。
「んっ! んー!」
「暴れんじゃねぇよ!」
パンッ!
「んっ! ぅぅ……」
しかし、男の分厚い掌によって鎮圧されてしまった。
「そう、それで良いんだ」
「っ……」
大人しくなった女の子の様子を見て気分を良くした男。
恐怖に支配され、強張っている身体へ徐(おもむろ)に手を伸ばし……。
「んじゃ、最初は……」
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