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ぐにっ。
乱暴にその子の胸を掴んだ。
「んぐっ!? んーー!!」
「ははっ、なんだ、痛いのか? まだデカくねーし、そりゃぁ痛いか」
「ん……ぅ……」
「悪い悪い。俺、無理矢理やるのが好きなんだよ……だから」
ぐいっ、ビリッ!
「ぁっ!?」
男は掴んでいた胸を放したと思ったら、代わりにパジャマを握り、勢いよく破く。
更に、少女のお腹の辺りに馬乗りになった。
「蹂躙してやるよ。たっぷりとな」
「んぃっ!? やぁ!!」
力ずくで強引にパジャマを剥ぎ取ろうとする男に対し、身をよじって抵抗する彼女。
私のパジャマは無残に破られ続け、ベッドの周囲に置いてある物も床に散乱するほど激しい攻防が繰り広げられている。
その一部始終をただ眺めていることしか出来ない自分。
あの子は今暴漢に襲われている。先程まで私が眠っていたベッドで。
つまり、彼女が私を退避させてくれなかったら、今行われている出来事は全て自身に降りかかっていたことになる。
(あの子は代わってくれたんだ……私の身代わりになってくれたんだ……)
無意識に涙を流す瞳が映すのは、襲われながらも必死で抵抗する私そっくりな女の子。
手足は動かせる範囲で、頭もブンブン振り、精一杯拒絶している。
そして、無我夢中で抵抗した結果……。
ゴツッ!
「んがっ!?」
彼女の頭が男の顔面にヒットしたのだった。
「いってー……。やりやがったな?」
「うっ……」
逆上した男が女の子の首を締める。少女の苦し気な呻きが聞こえてくる程に力一杯締めているのだろう。
「……」
やがて抵抗する力が消え、ぐったりと脱力した姿を見ると、手の力を抜いて解放する。
「ぐっ、うっ、ふぅっ」
口で満足に息が出来ないためか、苦しそうに咳き込みながら呼吸する女の子。
それを見下ろす男は低い声で呟いた。
「お前をヤってから口を封じるつもりだったが……気が変わった」
自らの胸元に手をやり、ポケットらしき所から鈍く光る銀色の物体を取り出す。
「っ……」
「今すぐぶっ殺してやるよ」
男が取り出したそれは、カーテンの隙間から僅かに差し込む光に照らされ、全体が映し出された鋭利な刃物。サバイバルナイフだった。
(ちょっと……待ってよ……あんな物で何するつもり……ねぇ?)
「不運だったな。こんな家に産まれなければ、もっと長生き出来ただろうに」
「い……ぁ……」
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