指先から恋が始まる

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なぜかボタンに僕の指以外の指がある (あ、となりの人もここで降りるのか) (さっきのこと、またあとで謝らなきゃ) 徐々に街並みの進む速さが遅くなり、バス停に近づくのを知らせてくれた プシュー、という音を立ててバスが開いた。バスから降りる人の波に飲まれながらバスを降りる。出るときにふっと後ろを見ると、バスの座席に座りながら寝ている人 恨めしい、なんて また思ったのはやっぱり内緒。 (…あ、さっきの人) バスから降りて最初に目にはいったのは、たぶんさっき僕がぶつかってしまった人 学校とは方面が違かったけど 時間があったから追いかける 「……あのっ」 声をかけると、当たり前だがこっちに振り向いた。不思議そうな目でこっちを見ている
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