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「咲君!」
部屋に理沙が入って来た。
また今日も彼女とお昼に約束していたのだ。
というか、そうしないと泣きつかれる事が多くなった為、そうしているのだが。
「二人で何話してたの?」
「身長が伸びる方法はないかな?という話です。もっと背が高い方がいいなって」
「駄目よそんなの!」
まともな反応を期待していたわけではないが、まさか叫ばれるとは思わなかった。
何が駄目なのだろうか。
「背が低いというのは、一つの可愛さなのよ。もし咲君が、今の可愛い顔で身長だけ伸びたらどうするの?怖いじゃない!きっと、体に顔が乗っかっているように見えるわ。嫌よそんなの!」
「そこまで否定せんでも……」
「杉谷は黙っていて!これは私達の将来を左右しかねない問題なのよ!」
「はいはい」
杉谷さんは、ぐったりとして椅子に座った。
咲も座ろうと思ったが、理沙にがっしりと両肩を掴まれて無理だった。
今日の理沙は、いつもに増して変だと思った。
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