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「それでもやっぱり、可愛くないのよ」
せっかく恥ずかしい思いをしたのに、彼女に笑顔は戻らなかった。
そのまま部屋を出ていってしまう。
それを呆然と見つめる咲。
これには流石に、杉谷さんもポカンとしている。
「お、追いかけなくていいんか?」
「ぼ、僕が、ですか?」
「他に誰がいるんや」
「でも、もう追いつけませんよ」
どこに行ったかも分からないのに。
そう言って咲は椅子に座った。
どうしてそんなに可愛さにこだわるのか。
咲には分からなかった。
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