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可愛いと言われたかった。
いつも、背が高いね――、なんて見上げられて。
ちっとも嬉しくなんてなかった。
初恋の人も、自分を見上げていた。
格好いいね。
褒めたつもりだったのだろうが、自分は喜ばなかった。
しかし、喜ぶふりはしなければならなかった。
ありがとう。
そう言って、顔を歪ませた。
上手く笑えない。
どうしよう。
この感情は怒りだろうか、悲しみだろうか。
いくらオシャレしてみても、可愛いとは言われない。
そんなのって、辛すぎた。
だから、君に言われて嬉しかった。
だけど、信じられなかった。
だから逃げ出した。
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