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放課後の生徒会室前。
咲は扉に手をかけた状態で固まっていた。
開きたいが、開けない。
ここに歩いてくるまでに、何かが聞こえるとは思っていた。
しかしこんな内容だと、誰が予想出来ただろうか。
「今すぐ咲君に会いに行くの!邪魔しないでちょうだい!」
「いや、でも、今日の集まりは……」
「毎日くだらない事で集まっているじゃない!確かに貴方達の言う通り、優希君は可愛いわ。でもね、咲君はあのぼんやりとした感じが、たまらなく可愛いのよ!」
「その話は聞き厭きましたわ――」
ガラリと音を立てて中から出てきたのは、金髪でピアスをしたお兄さん。
ちょっと怖くて後ずさりをした。
相手も驚いているのか、目を見開いている。
「ちょっと邪魔よ、杉谷!」
時が止まったかのようにお互いに見つめあっていると、彼の後ろから誰かが出てきた。
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