生徒会

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腰まである黒髪が綺麗な、ちょっとつり目のお姉さん。 彼女も咲を見た途端、動きを止めた。 「杉谷、見て?咲君がいる。幻覚かしら、うふふ」 「お、落ち着くんや。襲ったらあかん」 「黙りなさい。似非関西人」 「あんたが話しかけたんやろ。って会長、顔怖っ!」 つり目のお姉さんは、怖いほど真顔で咲を見ていた。 それを金髪の杉谷さんとやらが、驚きながら止めている。 どうやらこの怖い人が、生徒会長らしかった。 ここは、好奇心だけで来る場所じゃない。 逃げるべきだろうか。 咲がそう考え、実行に移す前に、にゅっとドアと杉谷さんの間から手が伸びてきて、腕を掴まれた。 ライオンに捕まった兎の気分だった。
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