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明日拓はクスリと笑うと、テェブルに鳥の入った籠を彼に良く見える様に置く。彼は興味津津で鳥を見詰めた。どうやら嫌いではないらしい。何より彼の表情を見られて嬉しい。
「わさびっていいます、可愛いでしょう、」
「ワ…サビ」
「ほら、言葉を話せるんですよ、片言だけど。歌も教えれば囀ります。すぐ忘れちゃうけど、」
そう補足する明日拓の言葉を聞いているのかは定かではない、が、彼がわさびを羨ましそうに見ているのは確かだった。
明日拓は言葉に詰まった。彼は全くと言っていいほど自分に関心を示さない。何を話していいのか分からない。そもそも彼が何者なのかも知らない。
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