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『ノートと
少しのインクを
下さいませんか?』
その要求に、明日拓は寛大に頷いた。
「ノートはありませんが、コピー用紙ならあちらに大量に。」
明日拓は電話の近くを指差す。
「インクは…ボールペンで良かったら、それを使ってください、」
柚子の持っているボールペンを指さして言った。柚子はこくりと頷く。
『ありがとう』
そう走り書きした後、柚子はコピー用紙を取りに立ちあがった。二、三枚拝借して、此方に戻ってくる。
「何に使うんですか、」
不思議そうに明日拓が言うと、柚子は言われる事を予測していた様に微笑む。
『仕事、
貴方も仕事をするように、
俺も仕事です、』
明日拓は首を傾げて眉間に皺を寄せた。
それを見た柚子は、大きく笑うとさらさらと文字を書く。
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