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『俺の仕事は、
書く事
だから』
「小説家、」
『そう
今日は一度も
それらしい文を書いていない
書かせて下さい』
明日拓は驚いた。こんな近くに、小説家がいたなんて。彼はそれを仕事と言うくらいだから、それで生活しているに違いない。そこそこ名の知れた小説家なのだろうか、それともかなり有名の小説家なのかもしれない。
「構いません、頑張って、」
明日拓は心の底からそう思った。
両の手で拳を作ると、柚子も同じようにしてくれる。
『ありがとう
明日拓
貴方はとても優しい』
『明日拓』と書かれた文字が、とても親しげに見えたのは、きっと自分の錯覚に違いないと明日拓は思ったけれど、自分の名前を、彼が綴ってくれた事に、明日拓は感激した。
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