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「で、君は何処から来たの」
青年は黙っていた。
青年は地面に視線を向けながら、自分の前を横切る蟻の、規則正しく並ぶ列を見て、砂糖をあげたくなった。
「…僕の話、聞いていますか」
「………」
先程から身元を確認しようとしている通りすがりの警官は、段々と腹が立ってきた。
「どうして何も喋ら無いんだ」
「……」
青年はただ、黙っていた。
黙って空を見上げた。
風が吹く。
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