第三章

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     「ん…?」 ゆっくり歩いていると何かを罵る声が聞こえた。 宵闇に隠れて、上手く見えなかったけけれど、二つの人間の影が交差している。 一つは、そのシルエットから、警官だと分かる。 ゆっくり近付くと、叫び声が明白になった。 「どうして拒絶するんだ!!!」 警官のシルエットの口が開く。 どうやら罵声の根源は警官らしい。 「何も喋らなかったらどうする事もできないだろ!」 更に近付けば容姿がはっきりとわかった。 警官を困らせているのは、今時珍しい質素な服に身を包んだ青年だ。 と言っても自分とそんなに歳は変わらないように見える。     どちらにせよ、他人なのは変わらない。           
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