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「ん…?」
ゆっくり歩いていると何かを罵る声が聞こえた。
宵闇に隠れて、上手く見えなかったけけれど、二つの人間の影が交差している。
一つは、そのシルエットから、警官だと分かる。
ゆっくり近付くと、叫び声が明白になった。
「どうして拒絶するんだ!!!」
警官のシルエットの口が開く。
どうやら罵声の根源は警官らしい。
「何も喋らなかったらどうする事もできないだろ!」
更に近付けば容姿がはっきりとわかった。
警官を困らせているのは、今時珍しい質素な服に身を包んだ青年だ。
と言っても自分とそんなに歳は変わらないように見える。
どちらにせよ、他人なのは変わらない。
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