堕ちた天使

7/7
前へ
/7ページ
次へ
あと少しの揺れで、それは落ちてくるだろう。 当たれば死は避けられないかもしれない。 僕は躊躇した。 自分の命よりも大切だと信じていたのに、僕の足は動かない。 彼女の助けを求める目を、僕は忘れられない。 僕を信じきっている目。 時間にして、ほんの三秒程だったであろう。 しかし、僕には永遠に感じられた。 時が止まっているかのようだった。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加