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清水昭文。
通称、昭。
私、緑川栄華の幼なじみ。
私がまだ幼い頃、私の家の向かい側に清水一家はやってきた。
引っ越しの挨拶回りをしに、家に訪ねてきた時、私と昭は出会った。
「向かいの家に引っ越してきました、清水です。これからよろしくお願いします」
昭のお母さんは、ニコニコしながらそう言った。
そのやわらかい笑顔で、幼いながらにこの人はいい人だと感じ取った。
私のお母さんとも、すぐに打ち解け仲良くなったし、私も昭のお母さんは好き。
「お母さ~ん…早く家帰ろうよー…」
これが、私が聞いた昭の初めての一言。
「あら、紹介するの忘れてたわ。昭文です」
「まぁ、かわいらしい!こんにちは。ほら栄華、ちゃんと挨拶しなさい」
『…こんにちは』
「…こんにちは」
「なぁに、昭文ったら~。普段やんちゃなくせに、こんな時は恥ずかしがっちゃって…。栄華ちゃん、仲良くしてあげてね」
出会いは、こんな感じ。
会話らしい会話なんてしてない。
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