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「フフフ~ン」
顔に本を被せて寝ている副操縦士の横で、鼻歌を歌いながら機体を操縦している男が居た。
「タララ~」
≪機長、あなたの鼻歌が無線で流れてくるのですが・・・≫
着陸許可を求める為に使った無線機から、管制官の声が流れてきた。
≪おっと≫
≪これは失礼した≫
男は開きっぱなしだった回線を閉じ―。
「もうすぐ降下を始めるから、そろそろ起きてくれ」
隣で寝ている副操縦士を揺すって起こす。
「・・・・・・」
副操縦士は顔に被せていた本を鞄に入れると、鞄からリンゴを取り出した。
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