6人が本棚に入れています
本棚に追加
少しムッときたのか征丸は
「"お前と違って"ってのは無いだろ!まぁ、さすがにお前の家の事情をとやかく言わんけどな」
と尖った口調で言い放った。
流石に言い過ぎたと思い、うつむくふりをした
「ごめん。ちと言い過ぎたわ」と反省したような顔で言った。
付き合いが長いから分かるけど征丸は意外と単純な奴で適当な表情を作っておけば笑えるくらい簡単に騙される。
真が反省したと思い、征丸はニッコリと笑みを浮かべた。
「いやぁ俺も言い過ぎたよ。んっ、もうそろそろお前さんにも雷落ちそうかもよ?」と言った。
うっ、ヤバぃ!!アイツの事忘れてた!?
思い出した瞬間、背中に悪寒が走った
「まっ、まさかなぁ」
真が電車を降りた時、殺気にも似た視線を後ろから感じた。
振り向くと一人の少女が真達を睨んでいた。
「ねぇ、幾ら家の事情があるからって30分の遅刻はなくなイ?」
身長は真と征丸の間くらいでボーイッシュ風の髪型、そしてスポーツ万能そうな雰囲気した少女が恐い笑みを浮かべいた。
"倉木 美羽"
彼女は真の幼なじみで小さい頃から彼女が苦手であった。
普通の笑顔とは別の怖いものを帯びた笑みでゆっくりと近ついてが拳を握りしめるのを見た真は思った。"あぁ、こりゃ終わったなぁ"っと……
歯を食い縛り、美羽が真の顔面に飛んでくる拳を見て目を閉じた。
――――っん?痛くない!?
間一髪の所で征丸が受け止めた
「流石に場所を考えろよ。」
と征丸が一言言うと美羽はふてくされた顔で「判ったわよ……」と言った。
真は心の中で、"そうじゃないだろぉ"と思いながら征丸に「ありがとう!とりあえず学校終わったら飯おごるわ」と言った。
征丸、ほんの少しだけど感謝するよ……
最初のコメントを投稿しよう!