第一章

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門の横に立っていた 赤いトランプの兵が私に一礼した。 「お待ちしておりました。 二人目のアリス様。 どうか、この世界を救ってくださいませ。 再び不思議の国に幸せな時間を…」 「…え?あ、はぁ…」 何がなんだかわからない… 私がこの世界を救う? 全く想像がつかないわ。 「さぁ…アリス様… 女王様にそのお姿を 見せてあげてください。 きっと…女王様はお喜びになる…」 ギィーッという音をたて 門が開いた。 「さぁ僕についてきて 久しぶりなんだ、僕も女王様に会うのは」 城の周りには たくさんの薔薇が咲いていた。 中央には大きな噴水があり、七色の水が流れていた。 「“この”女王様はお優しい方だ。 “あの”女王と違って…」 白兎の顔は酷く曇っていた。 .
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