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部屋の中は帽子だらけ。
足の踏み場もないくらい
帽子で埋まった玄関。
白兎は慣れた足取りで
部屋へ上がった。
「アリス?早くおいで?
帽子は踏んじゃっていいからさぁ♪」
「おい白兎!勝手な事を言うな!」
「えー
これ趣味で作ってるんだろ?
売り物じゃないんなら
踏んでも汚してもいいじゃん!」
趣味で帽子か。
帽子屋なのに売り物じゃないのか。
帽子屋の外見は
本当に人間。
現実に居ても全く変じゃない感じ。
もちろん
帽子屋だから帽子をかぶっている。
黒い帽子を深めにかぶり
ギロッと切れ長な瞳を覗かせていた。
「あ.アリス!!…様。
早く上がれ!のろのろするな…いや
早くお上がりください?」
言い直した上
語尾にクエスチョンマーク。
しかもアリス様って。
帽子屋って
少し可愛いかも。
「アリスでいいよ。
帽子屋さん」
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