少年ハルヲ

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少年は世の中を憎みながら生きていた あまねくすべての事柄を無意味だと感じていた 心を許せるのは空想と狂気の世界 それと自分結ぶのは壊す事と考えた その日少年は事件を起こしました いつもどうりの学校授業の最中 細く尖らせた鉛筆を握りしめ 隣に座る少女の目に突きたてた 少年は世の中が嫌いだと言い残し ざわめき立つ教室を後にして走り出す どこまで走ったのだろう? 気づけば高いビルの上 少年は笑いだす 憎いこの世を見下ろして 手をのばせば ある そこに ほら 少年は好きな言葉をつぶやいて どちらを選ぶ夢と現実?と問えば 何かが弾けたように涙こぼれた 少年は思いました 何も変わらない 僕の方が無意味と 少年は思いました 何処へも行けない 無力なのが自分と 少年は現実を知ります パトカーのサイレンが近づいてくる たくさんの人が少年を取り囲む 少年はビルのフェンスを乗り越えて 僕の場所は何処にもないと叫びます 少年は愛しました 自分だけの国 空想の中の夢 だけど変わらない 何も変わらない 夢は夢でしかなく 無常に流れる現実の意味を 知る時が遅すぎて 少年は笑い泣き せめて忘れないでと 呟いて ビルから飛び降りた
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